いつになったら大人になれるんだろう
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・・・・ディランディ兄弟の誕生日当日に更新するのがアレハレの誕生日記念ってどーゆーことでしょうね
てなわけでアレハレ刹です。題名からわかるように決して幸せな内容ではありませんのでお気をつけて(誕生日記念なのに、ね!
あとものすごく短いです。サイトに載せる際はどうにかして加筆しようとは思ってるんですけどね
題名はカカリアさんからお借りしました
ぼすんと身を沈めたベッドはスプリングがそこそこきいていて程よく身体が沈む。襲い掛かってくる睡魔に瞼が重なりかけるのをなんとか阻止して、刹那はごろんと仰向けになって天井を見つめた。
組織としてようやく活動を再開したCBだが、よくもこれまで存在し続けてられたものだと感心したくなるくらい人手が足りない。第一線でがんばってきたティエリアには迷惑かけたな、と刹那は息を吐いた。
忘れないうちに、と通信端末でロックオン宛にメールを送る。内容は先ほどまで行っていた訓練についての注意事項と明日からの訓練内容だ。かろうじてMSの登場経験はあったものの、素人であるロックオンの教育は全て刹那が担当している。ティエリアにも手伝ってもらいたいのだが、あの二人を一緒にさせるとたいていロックオンがティエリアをキレさせて訓練どころではなくなるので仕方がない。
送信完了の文字がディププレイに表示されたのを確認し、ゆっくりと端末の電源を切ろうとした指が止まる。ディスプレイの端っこに表示された数字の羅列に鼓動が少し速まった。
勢いをつけてベッドから飛び起きる。端末を操作してアラームを設定すると、刹那は部屋を出た。
もうそろそろ日付が変わる時間帯に、出歩いている者は誰もいない。耳に痛いくらいの静けさの中、ただ己が作る足音だけが空しく響いた。
たどり着いた部屋にロックはかかっていなかった。刹那の部屋にあるのと同じベッドと机、それに衣装棚。必要最低限のものしか置かれていないそこには人の気配など微塵もない。それでも定期的に掃除されているらしく、塵ひとつない綺麗な部屋だ。この部屋の持ち主がいつ帰ってきてもいいように、との配慮だろう。
「アレルヤ、ハレルヤ・・・・」
いまだ使われない部屋の主の名を囁きながらベッドに横たわる。五年ぶりに帰ってきたホームに、彼らの姿が見えないことにまだ慣れない。たぶん、これからもずっと。
生きているのか死んでいるのか。いまどこでなにをしているのか。CBの優秀な情報網を持ってでさえ行方がわからない。刹那は情報収集などできないから黙って報告を待つしかない。もしくは彼らの無事を祈るか、だ。それがもどかしくて悔しくて。
喉が張り裂けんばかりに名前を呼んでも。必死に手を伸ばしても。溢れる雫が頬を濡らしても。声に応じ、手を握り、頬を拭ってくれる人はいないのだと絶望だけが胸を打つ。
それでも、いつか、また。
名前を呼んで、手を繋いで、その笑顔を向けてもらえる日がくることを願っている。そんな未来を夢見ている。掴み取ろうと努力している。
ポケットの中で端末が甲高いアラーム音を響かせた。片手でそれを止めると刹那は瞳を閉じた。声には出さず、唇だけ動かしてカウントダウンを刻む。5、4、3、2、1。
「ハッピーバースディ、アレルヤ&ハレルヤ」
ありがとう、と幻聴が聞こえた。
ありがとう、と幻聴が聞こえた。
哀しすぎる世界の真ん中でカナリアは啼く
(鳴いています、啼いています、泣いています。だから早く帰ってきて)
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