いつになったら大人になれるんだろう
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どうも、生きています最近Fate/zeroにハマってピクシブ天国うはうはしている香邑です。友達がネタ考えてくれたら絵にしてあげるよと言ってくれたので、開眼した香邑はテンションマックスでがんばります金剣も槍剣もさんにんがわちゃわちゃしているのも大好きですていうかサーヴァント全員可愛すぎて愛おしすぎて爆発しそうですとりあえずウェイバー可愛いよウェイバー
まあ今回それは全く関係のない小話なのですが
P3Pの、もしハム子とキタローが生物兵器以下略パロで、さらにもしも舞子ちゃんにペルソナ能力が出たら、みたいな話です。最近私この小話をどのジャンルに収納したらいいのかわからない。BLではない・・・・けれど・・・・NL・・・・?
私は舞子&ハム子、沙織&ハム子がめちゃくちゃ好きです。舞子ちゃんと手つないで歩いているハム子が観たいです誰か描いてくださいらなさん描いてください
題名は選択式御題さまよりお借りしました
頭上で交わされる言葉の大半は舞子にとって理解しにくいものであったから、静香が目線を合わせるかのようにしゃがみこんで話しかけてくれたことはなによりも舞子にとっての救いになった。背景の目に痛い色彩は現実離れしていて、それなのにうっすらと恐怖心を抱かずにはいられなかった。そんな中に姉と慕う彼女がいたのは不幸中の幸いというべきなのかもしれない。
「どこか痛かったり苦しかいところはないかい?」
そう問われて、確かに多少の息苦しさは存在したのだが、舞子はふるふると首を横に振った。そうすることで、少しでも静香が安堵すればいいと思ったのだ。舞子の前では多少取り繕っているものの、仲間らしい同年代の、舞子にとっては年上の少年少女と会話する時の静香の顔は、舞子の見たことのないそれであった。
そっと静香が舞子の手を握り、髪を撫でた。その手つきがいつもよりもぎこちないことに舞子は気づいてしまったが、それを指摘するべきかそれとも黙って身を委ねるべきか、幼いゆえにわからなかった。己の無知と幼さに嫌気がさすのはこういうときである。
「ねえ、舞子ちゃん。これから言うことをきちんと聞いて、その上で答えてほしいんだ」
その時の静香の顔は、舞子の髪から離れて行った体温を寂しいと洩らすことさえ、躊躇ってしまうものであった。
「君の意志と、それからあそこにいるぼくの仲間たちの意見次第では、もしかしたら君はこれから今日みたいなことを日常とする日々に突入するのかもしれない。けれどもし、君が抱えているそれを手放したいと思うのなら」
静香はそこでいったん言葉を切った。すぅ、と息を吸い込む彼女は、まるでそうあってほしいと思っているようにも、舞子には見えた。
「ぼくは持ちうる全ての力を使って君を逃がしてあげる。恐怖からも苦痛からも嘲笑からも困難からも後悔からも絶望からも非難からも。決めるのは君だ」
その言葉を聞いて、舞子は無意識に己の胸元を掴んだ。逃げれるのだろうかと、思う。静香がいったいどんな手段を使うのかは知らないが、自分に宿ったそれを見て見ぬふりをして、はたしてそれで逃げ切ることができるのだろうか。名も理屈も知らぬそれは、確かにここにいるというのに。
舞子の胸元から離れた手はしばし宙を彷徨ったあと、ぎゅう、と力強く静香の制服の裾を掴んだ。
「・・・・・・おねえちゃん、は?」
「・・・・・ぼく?」
逃げないの、と言葉にして問うたわけではない。けれど静香は意外そうに眼を瞬かせて――――舞子からそらした。
「ぼくはもういいんだ。逃げるとか、そういう問題ですらなかったからね。けれど君はまだ引き返せるんだ」
静香の言葉は懇願しているようでもあった。逃げてほしい。引き返してほしい。明らかな形にはしないけれど、そう訴える静香を舞子はずるいと思った。まるで舞子を逃がすことが免罪符であるかのような、そうすることで楽になれるような。
だから舞子は強く静香の制服の裾を握ったまま、黙って首を横に振った。静香のその形の良い唇がわななくのがわかったけれど、それでも舞子はお互いさまだと思った。舞子を逃がしたいと思うことが静香の我がままであるように、辛くても苦しくても静香の隣で泣き叫びたいと思うこの感情も、所詮は舞子の我がままでしかないのだから。
ずるい大人と賢くなりきれない子供
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