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いつになったら大人になれるんだろう

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2024/11/22 (Fri)                  [PR]
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授業中にシャーペンがじがじしながら思いついた青帝♀


別におんにゃのこする意味なかったんですけど(ていうか最初ふつーにNOT女体で考えていた)、そうでもしないとどっちが受けなんだかわからなくなってきたので

青葉がひどいマゾ葉

そして私はまともに授業うけろ




題名はロストブルー さんよりお借りしました








彼女に噛み癖があると青葉が気付いたのはただの偶然に過ぎない。廃工場に打ち捨てられているドラム缶の上に陣取ってなにやら文字が印刷されたコピー用紙の束をめくりながら深く考え込んでいる帝人は、時折、本人も気付いていないのかわからないが、口元に当てているボールペンをがじがじとかじっている。それを眺めながら青葉は、もう少し足を高く組んでくれればスカートの中見えるのになあと思うと同時に、帝人がいつも思案している時に手元のものをかじっていることに気がついた。


別にシャープペンに有毒成分が含まれているわけでもないし、青葉自身、幼少時には鉛筆をかじる癖があった。あの頃はいくら教員に注意されても治らなかったその癖は、小学校高学年にあがる頃には自分にそんな癖があったことすら忘れるようになっていた。だから特に帝人を責める気もないが、気にならないと言えば嘘になる。


別に帝人がどこぞの喧嘩人形のように、ボールペンを噛み千切れるわけでもないけれど。


なんとなく、本当になんの意味も意義も意思も理由もないままに、集中している帝人の邪魔をすることは彼女の機嫌を損ねかねないことを知っていたけれど青葉は「先輩、その癖なんとかしません?」と指摘した。


「ボールペン、またかじってますよ」


その言葉に顔を上げたものの、何を言われているのかわからないといったふうの帝人に青葉は口元を指差して示す。そこで初めて、己の唾液で濡れたボールペンの存在に気付いたらしい帝人が驚いたような声を上げた。


「うわ、べとべと」


「結構前からずっとかじってましたからね。ほんと、気付いてなかったんですか?」


「ぜんぜん」


唾液で光るボールペンをハンカチで拭きながら帝人はあっけらんと言う。あれだけ長時間かじっていて本当に無自覚だったのかと、青葉は少しだけ瞠目した。思い返せば青葉が鉛筆をかじる癖があったころも、特に楽しいとも思わないまましかし無自覚のまま続けていた。噛み癖とはそういうものなのかもしれない。


「口寂しいんだったら、ガムでも噛めばいいじゃないですか」


「あー、今のガムってほとんどキシリトール入ってるからさ。僕、スースーするの駄目なんだよね」


うわあ外見じゃなくて中身も子供みたい、と思ったが口に出せばボールペンが弾丸のように飛んでくることはわかっていたので青葉は平然と「それは難儀ですね」と返した。そんな子供っぽさもまあ可愛いですよと続くのだが、どんな美辞麗句を並べたところで彼女の地雷を踏んだ事には変わりないので、やはりボールペンに風穴をあけられるのだろう。


「だからってボールペンをかむのはどうかと思うんですけど」


「だよね。ていうか僕、いままでずっとこんなことしてたの? 恥ずかしいなあ」


「まあ、しょちゅう」


さすがに高校生にもなってボールペンを噛むなんて癖があるのは恥ずかしいのか、どうしたものかと帝人が思案顔になる。青葉はぼんやりと帝人の顔を眺めながら、ふと、唐突に思い浮かんだ提案を口にした。


「口が寂しいなら、俺の指、噛みます?」


我ながらなんて馬鹿げた発言と思ったが、今更音として発してしまった音声を取り消せるわけもないので、青葉は目を瞬かせている帝人の口元に、自分の右手を近づけた。そっと指で彼女の口元を濡らす唾液を拭い取る。


帝人の口唇に触れた青葉の指、を。


肉厚な舌先がなぞり柔らかい肉の感触とぬめる熱い唾液がまとわりつく、指に。


「あ」


なんの躊躇も躊躇いも前触れもないまま、帝人の歯が食い込んだ。


「っ!」


まさか本当に噛まれるとは思っていなかった油断と想像以上の口内の熱さに青菜は目をむきながらも、帝人が今まさに青葉の指を喰らっているという目の前の光景に、背筋からぞくぞくした快感ともそのまま喰いちぎられるのではないかという恐怖ともつかない感情が一気に駆け抜け、爆発して身体中に霧散した。


このまま喰われてもかまわないと、思った。


帝人に喰われて、骨の髄まですすられても文句など言うはずがない。


(先輩の舌が歯が唾液が視線がずっと俺だけを俺だけを舐めて噛んで濡らして見つめ、て)


最高だ、と熱い吐息を唇からこぼしながら、青葉は上目遣いにこちらを見上げながら指や手のひらに歯形と鈍い痛みを残し続ける帝人をうっとりと見つめた。





の一片まで残さず愛してくれるなら、の一滴も惜しまず全て差し出してあげる




(だからどうか愛して、と1度でも微かでも想いを伝えていたなら)






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