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いつになったら大人になれるんだろう

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2009/12/15 (Tue)                 



下の記事で書いたように、今日カラオケ行ってきました。


そのカラオケで友人がシドの『嘘』を歌っているときに思いついた小話です。ごめんね、私あなたが歌っているときにこんなの妄想してたの。だって腐女子だもの


と、いうわけで題名はシドの『嘘』からとってあります。内容もそれっぽく・・・・あ、でもたぶん違っているなぁ


たぶん現代パロで、ライ刹♀→ニルです


なんかちょっと短いです。サイトにのせるときは加筆修正したいです











騙し合いだ、と彼女は笑った。その笑顔がどこか自嘲的に見えたのはきっと俺の気のせいなんかではない。たぶん今の俺も、どこか自嘲気味に笑っているのだろうなと心のどこかでそんなことを考えた。

 
「傷の舐め合いかもしれない、な」

 
「俺が一方的に刹那の傷を舐めているだけだろ」
 
 
「違う。俺だってお前の傷を舐めている。俺が作った、お前の傷を」
 
 
刹那は頭が良かった。だからこの行為によって俺が傷ついていることも、その理由は俺が刹那に惚れているからだっていうことにも気付いていた。それでも刹那は頭が良かったから、全部見て見ぬふりをして、騙し合いだ、なんて言うのだ。

 
そっと優しく、刹那の手のひらが俺の頬を撫でた。ずっとずっと、こんなふうに彼女に触れられる瞬間を望んでいた。もうずっと、長い間。

 
「嘘をつくのなら、上手にな。下手な嘘じゃ、俺はだまされないぞ」

 
「知ってるさ。それに、兄さんのふりをするのには慣れてる」
 
 
そう言って俺は笑った。兄さんそっくりに。刹那が一瞬だけ目を瞬かせて、その瞳に歓喜を映した。俺の笑顔に、兄さんを見つけた。

 
「目、閉じていたほうがいいか?」

 
「関係ないさ。なにもかも、俺と兄さんはそっくり同じなんだから」

 
耳をふさいでも、俺の声は兄さんとかぶる。
 
 
目を閉じても、俺の顔は兄さんとかぶる。

 
残るは嗅覚。俺は兄さんと違って喫煙家だけれど、少し禁煙すればタバコの臭いなんて消える。味覚は関係ないし、触覚だって同じようなものだ。
 
 
少しだけ力を込めて、刹那の小柄な身体をベッドに押し倒した。短い黒髪が真っ白なシーツに散る姿や明るい褐色の肌はやけに扇情的で、思わず背筋がゾクリとした。

 
こうやって刹那をだませばいい。簡単だ。兄さんのふりをして、刹那を愛せばいい。そうすれば、刹那は俺を愛してくれる。俺を愛しているという、嘘をついてくれる。それだけで充分だ。
 
 
いかさまはいかさまだとばれなければいかさまではない。嘘は嘘だと思わなければ嘘ではない。では、お互いが嘘だと知りつつもそれでもいいと受け止めている場合、これは嘘になるのだろうか。


答えはきっと、誰にもわからない。 







(なぁ、それでも幸せなんだって言ったら、お前はどんな顔をする?)



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