いつになったら大人になれるんだろう
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アレ→刹→?です。題名からして病んでる感たっぷりですね☆ ?は誰か好きな相手を想像してください
私が書くアレルヤは病んでるかヘタレてるかのどちらかしかないような・・・・・・・・・・・・・・うん、気にしなーい☆
お題はイデア様よりお借りしました
からころと机の上を転がっていく球体を珍しそうに刹那は見つめる。地上に降りたときになんとなく買った安物で、そんなにじっと見つめるほどのものじゃないと思うんだけどな。
「アレルヤ、これはなんだ? 飴玉か?」
「・・・・・」
物事への関心が薄い刹那が珍しいと思ったら、なるほど、これが何であるかということですら知らなかったというわけか。それは凝視するはずだよ。
「ビー玉だよ。知らない? 安物の、ガラスでできたおもちゃ」
近くにあったビー玉をひとつ手に取り、指ではじいて近くの玉に当てる。こうやって遊ぶらしいのだけれど、何が楽しいのかいまいちわからない。昔の子供はすごいなぁ。こんなので楽しく遊べるんだから。
「ガラス玉か。じゃあ食べれないな」
「・・・・なんでもかんでも食べること前提に考えるのはやめたほうがいいと思うよ」
まぁ、戦場では食べ物が何より貴重だったのだし。仕方がないのかもしれない。ぼくが諦めたように息を吐くと、「でも」と刹那が黄色の玉をつまんで言った。
「光にかざすととても綺麗だ」
眩しそうにビー玉を見つめる刹那の瞳がとても綺麗で。ぼくは相槌を打つのも忘れて思わず見惚れてしまった。
「この色はハレルヤの色だな。瞳の色と似ている」
「じゃあこの紅いのは刹那の色だね」
くすくすと笑いながら、それからしばらくの間トレミークルーの色を見つけて遊んだ。刹那は薄い水色の玉をエクシアの色だと言って喜んでいた。
「アレルヤの色は見つからないな」
「そうだね」
買ってきたビー玉全てを見てみたけれど、銀色のビー玉は見つからなかった。鈍い鋼の色をわざわざガラス玉にしても売れないのだろうと、ぼくは落ち込むわけでもなくそんなことを思った。
「だったらこれがアレルヤの色だな」
そう言って刹那は何の色もつけられていない、透明なビー玉をぼくの目の前にかざした。
「色はないけれど、やっぱり綺麗だ。アレルヤの目も同じようにキラキラしていて、ビー玉みたいだ」
僕の色が、綺麗だなんて。
そんなこと、今まで思わなかった。
「・・・・気に入ったのなら、ひとつあげるよ?」
「本当か」
じゃあ、と刹那が迷うことなく手にしたのは、ぼくの色でなければ刹那の色でもなかった。
「ありがとう。大切にする」
手のひらで輝くその色を、刹那は何よりも愛しそうに見つめた。
分かっていた。刹那がその色を選ぶことなんて。
だってその色は、彼の色だから。刹那が何よりも大切に想っている人の色だから。
それでも、例え結局その色を選ぶのだとしても。
一瞬でもいいから、迷って欲しかった。
そんなこと、ありえないのだろうけど。
「ねぇ、刹那。刹那は僕の瞳がビー玉みたいって言うけど」
煌いて、輝いて、何よりも美しい、けれど。
「君の瞳の方が、ビー玉みたいだと思うよ」
そこに映るのは虚像であって、実像ではない。
いつだって、そこに映るぼくは空っぽ。
「そうか? 俺の目なんて綺麗じゃないと思うが」
「ううん。そっくりだよ」
そう断言して、引き止めてごめんねと囁いた。先ほどから刹那がそわそわと落ち着かない理由は分かっていたけれど、少し意地悪をしてみたくなったんだ。
「それ、見せるんでしょ。今だったら自分の部屋にいるだろうね」
「ああ」
少し恥ずかしそうに、けれど嬉しそうに刹那は席を立った。彼だってビー玉くらい知っているだろうけど、それでも見せたいんだろう。
「アレルヤ、ありがとう」
軽く手を振って刹那は出て行った。残されたのは、色とりどりのビー玉とぼく。
「こんなのより、刹那の色の方が綺麗だよなぁ」
手のひらの上で紅いビー玉を転がす。こんな人工的に作られた色なんかじゃなくて、もっと綺麗なものが見たい。
「いっそ抉り取って・・・・小瓶にいれて保管しておこうかな」
そうしたらきっとそこに映るのはぼくだけになる。
「ああ・・・でも、誰かに見られちゃ駄目だよね」
ぼく以外の誰かを映すくらいなら、いっそ。
ぼくを含めた全てを、映さなくていい
ぼくを含めた全てを、映さなくていい
あなたの瞳って本当にビー玉でできてるみたい
(ぼくを映さない瞳なんて、潰されてしまえば良いのに)
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